William Morris サンダリング・フラッド―若き戦士のロマンス (単行本(ソフトカバー)) 平凡社 [books]
ウィリアム・モリスというとヴィクトリア&アルバート美術館とかリバティプリントとかの所謂テキスタイルの方面からの呼び声の方が高いのですが、アールヌーボーと呼ばれる芸術のうねりの中、『生活に花や鳥などの自然美を』という考え方を持ち込んで体現した職人であり社長だったというのが正解に近い気がするのです。 彼はイギリス人ですから、格差社会であるとか、石積みの家の暗さとか、重い社会情勢をすいあげて美しいテキスタイルを始めとするデザインを作り上げたのからスゴイ。このモリスおじさんはテキスタイル→印刷する→写植→文字にもデザインを→それなら美しい物語を、とのめり込むタイプらしくそのような経緯でこんな幻想ファンタジーを結構書いています。
そしてそんな文学を百科事典を作って出してる平凡社がこんな風に出してることが、更に意外。
牧野 富太郎 『植物知識』 講談社 [books]
阿由葉稜(あゆばりょう)『暗号ーBACK・DOOR』 [books]
↓ 私はこの改題が納得いきません。いいじゃん、『暗号』で。
目の前で変死した友人が託したものは、世界最強の暗号ソフトだった。多国籍企業に国家、さらには怪しい謀略組織まで入り乱れた暗闘の幕が開く!「クロノス」は、世界最強の暗号アルゴリズムを使用した、セキュリティ抜群のコンピュータ暗号ソフトだ。亡友・滝本吾郎の遺志を継ぎ、このソフトを世界標準にするために奔走する石黒悠太をつけねらう黒い影。やがて接触してきたジェイク佐伯と名乗る男は、「クロノス」に自分たちだけが暗号を解除できる裏口をつけるよう要求してきた…!!期待の新鋭が鮮烈に描く、最新型謀略小説の傑作。
…だそうな。話がとんでもない方向へ飛んでいくので、期待を心地よく裏切ってくれます。