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橙の更にその後 [horticulture]

暮れにすったもんだして手に入れた橙は美味しく鍋のタレになったのですが、その後がありまして。
果汁を搾りに搾った後、残った果皮を只管薄切りにしてママレードへ。橙は別名ビターオレンジ、本来ママレードはこれで作るのだという記述をどこかで目にし、もう野望満々だったわけですよ。果汁をお鍋の云々なんて実はおまけで、ママレードの方に実は主眼が…などとは口が裂けても言えませんが。
で、何度か煮こぼしてママレードを作ったのですよ。うん、うまい。ただ、なかなか柔らかくならない…秋から冬にかけて柑橘があれこれ出回る時期に次から次へ片っ端からママレードにしてやったりなのですが、戦果から言わせてもらうと。
紅まどんな:アク抜きほぼ不要。但し透明な蜜は期待できない。
金柑:丸のまま煮た砂糖煮と何が違う?
晩白柚:アク抜きは結構さらっとでいい時としっかりせなあかん時とある。なかなか気難しい。綺麗なレモン色でできる。
はるか:アク抜き加減が難しい。抜きすぎるとあ〜そ〜なの〜?みたいな物体に成り下がる。
日向夏:アク抜きは少なくていいのだけれど、なかなか柔らかくならない。はるかもそうなのだけど、アク抜きすればするほど色が無くなる。寂しい。
伊予柑:アク抜きを上手にすると、いろいろ試した中で最も甘い香りを放つと思う。子供が最も好んでいた。
ブラッドオレンジ:当然国産。多分タロッコではない品種。驚くほど赤黒く、テニスボールより稍小さかった。なんだか面倒になってざくざく皮も身も一遍に切って煮た。因ってアク抜き無し。…が、全然苦くない!そして驚くほど美しい色!形容しづらいのだけれど…ブラックチェリーを潰したような色?オレンジ果汁らしいキサントフィルやカロテンの効いた色がベースにあって、その上に赤系アントシアンの色が被っているからではないかと勝手に憶測。なかなか表現し難い色になる訳だ。果皮はかなり容易に柔らかくなった。柔らかいのに崩れない、絶妙な状態。もっと作りたい!色も相俟って娘達にもかなり好評だ。
レモン:すみません、全然柔らかくなりません。何か方法があるのかなぁ。結局砂糖漬けみたいになってしまった。琥珀糖のレモン風味を作るのに流用。
橙:上記の通りなかなか柔らかくならない。柑橘の果皮って煮ているとある程度のところで香りがね、こう、香り成分が「焦げた」匂いに変わると思うのですよ。フレッシュな成分が抜けちゃった、とでもいうんですかね。鍋の中は焦げてないから。実際に焦げた匂いではないのだけれど、私的にはこの匂いになってしまったら、失敗。柔らかくなるまでゆっくり煮よう〜などといつまでも火にかけていられないのは、この縛りがある為。保温鍋で煮たらいいのかな?でもそれはなんだか邪道な気もする…まぁそれは次のシーズンへ持ち越す課題。なんだかんだの方法を駆使して縛りギリギリまで煮て、できた橙ママレードは思ったより酸っぱかったです。ここにも改善の余地あり。

あれ?ママレード報告会みたいになってる。違うんですよ!この八月の最中に半年も過ぎたママレードの結果報告なんておまけですよおまけ!何故ここで更なる後日譚なのかというと、橙にこれでも入っている種子の結末なのです。種子の周りについているゼリー状の物質は発芽抑制の成分なのでできる限り洗い流してやり、耐寒性があるということはある程度春化処理が必要なのだろうかとか、迷っても仕方ないので(そこまで経済性は求めていないし)玄関先にあるじ不在のまま放り出してある植木鉢にどしゃっと埋め込み、その上に雪が積もろうと夏白菊が生えてきちゃおうと、兎に角放置。水だけ切らさずやり続けます。するとですね、他の鉢に同じように埋め込んだレモンが生えてきて、伊予柑が生えてきて、晩白柚が生えてきて、そう、橙も目が出てきました。しめしめ!苗ものじゃないから今日の今年に花がついて実がなるなんて安易なことは考えていないけど、実生を育てる楽しみがウフフ、と北叟笑んでいたある日のこと。
ん?
レモンの芽の成長点という成長点が無い。つか、緑の爪楊枝が地面に突き刺さってるみたいな状態になっている?…というのに気づいたのは晩春の頃。どれどれ〜今日はどんくらい大きゅうなった〜ん〜?なんてどっかの老殿みたいな気分で鉢を覗いた時の愕然ぶりは言葉にし尽くせません。犯人は誰だ!まず疑うのは当然揚羽の幼虫で、次が夜盗虫です。殊夜盗虫については少し前に昼なのに見えるところにいたのを一匹潰しの、潅水で石畳の隙間に強く水を注ぎ込んでしまって刳れた砂と共に流れ出てきた夜盗虫を飛んで火に入る夏の虫などと悪役めいたことを悪役ばりに呟きながら盛大に潰しのした後でしたので、もうオルトラン!と犬用品の買い出しを繰り上げてホームセンターをチェック…なんだか値上げしてる?内容量が変わった?よくわかんないけど予算に合わないので金欠病を患っている為諦め、そのまま夜盗虫ホロコーストの続行と、なんかいないんだけど緑の爪楊枝だけは量産の進む若苗を只管チェック…。
いた。私の大事な若苗ちゃん達をモリモリ食べて大きくなった為に糞も大きくなった為にその足取りが顕に!いるわいるわ、三日程かけて一匹ずつ靴裏のバジルペースト※1にしてやり、十匹を数えた頃食害は止みました。ふふふ全滅させてやったのだなと、密かに勝利宣言。
レモンの方が好みだったからか、橙の発芽が少し遅れた(単純に播くのが遅れたから)為か、橙の被害は小さく済み、密植した所為もあり現時点で本葉が五枚というとところ。植替えしたいけど、水を切らさないで育てられる自信はちょっと…メキシカンオレンジブッシュなる本当は雪国では育てられない筈の観葉植物の露地植えにまた揚羽の幼虫を見つけまた新たなバジルペースト※1にして、ブルーベリーに凶悪げな青虫※2も序でにバジルペースト※1にし、夜盗虫にはいつかオルトランをお見舞いしてやると心に決めつつ、橙は兎に角植替えないとなぁと口先番長な今日この頃。


※1本当のジェノベーゼソースのことではありません。青虫を潰すとそういう感じになるのを昔勤めていた会社の先輩がそう表現し、以後婉曲表現として青虫虐殺のことをこう言うようになりました。是非皆様もお使いください。

※2イラガ。刺蛾と書くくらいで、触れるとかぶれる。卵や繭にも毒があるらしい。またこれにかぶれるとアンモニアでは効かないらしい。ひぃ〜。こんなのが二匹もいた!厄年だ!因みにこの辺りは梨栽培農家が多いからかこいつがのさばっているらしく、庭木にこいつの繭を数多く見かける。なんて迷惑な程でかくて硬質で目立つカイガラムシなんだ…そして何故この辺の人は駆除しない!と思ったら毒がありまたこの繭では薬が効かないであろうことは容易に想像がつく訳で、取り敢えず私のブルーベリー三鉢にいた凶悪な緑の野郎はバジルペースト※1に、ドッグローズについてた繭は枝ごとアスファルトでミンチにと敷地からは一掃。子供がブルーベリーに気安く触るので少し気をつけねばなるまい。
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