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職人、やっと夏の受注を終える [handicraft]

遅っ。[むかっ(怒り)]

よくもまぁ、注文してくれた方々も辛抱強く待って下さったものです。
同じ柄を二つ続けて編む苦痛と、夏の半熱中症と戦いながらシビビーンのリズムに乗ってやっと半衿が完成しました。これの前に紫の鱗模様を挟んだとはいえ、同じものにまた取りかかるには変な躊躇いがありました。
ほら、一度編んだ時、『あぁーこの柄退屈だったなぁ』という記憶がまざまざと蘇ってしまうから。
要は面倒臭いのが判りきっていて新鮮味に欠けるから、なぁんかやりたくないんだよねぇとかごにゃごにゃゴネていた訳です。

今回は妙な試みなんぞも入れて、少し自分を鼓舞してみたのですが、お陰様で半月で編み上がりました。
長かった…。

自分の作る物にぶちぶち言うのは精神安定上も良くないので、少し良いところも見直してみることにしました。
折角ビーズ半衿にしては高めのお値段を払って下さるので、便利な方が嬉しいよね、と始めたのが『多色使い』。
大体の出回っているビーズ半衿って、糸は甘縒りでもわっとしていて、ビーズはよく見るとひん曲がったのとかが混ざっていて、糸の色は白、生成り、黒、ピンク、水色、ラベンダー、クリームくらい。それを飾るビーズは大概無色透明で、黒地ならAB加工(Aurora Borealisの略。オーロラ、アイリスという場合もある。表面に虹色の光彩をかけて焼き付けたもの)で虹色にぎらぎら光るものか、銀引き(シルバーラインとも。無色〜有色のビーズの穴の中に銀鍍金を施したもの)でちらちら光るもの程度です。でも、普段使いでちょっと涼やかな、でも夏ばっかりじゃなくて、衿許に繊維じゃない違う質感を齎したいと思うビーズ半衿愛好家って、結構いるようなの。

でも、そういうのって、どこをどう探しても見つからない。

当然だと思うの。だってそんなことをすればいっちゃん安いスキ(Transparent、何も加工していない透明なビーズ)で材料費を抑えているのに、色を取り揃えれば取り揃える程コストがかかります。

ガラスって、もっと色々な加工方法があって、光り方があるのよ。
色も本当に多彩よ。
確かに出し易い色や使い易い色がビーズ屋さんにとっては主力商品です。

でも、一番顔に近い場所で、なにもぎらぎらてらてらぎんぎんにならなくてもいいと思わない?
みんな柄半衿、大好きじゃない?
帯も両A面、好きよね?

というか、自分が両A面で、色のアクセントが効いたビーズ半衿を欲しいと思ったのね。
叶えましょう。
紫の鱗模様のときも半分は乳白色のビーズにスキのストライプ。まだ半分で止まっている自分のも、半分は無地(スキでダイヤ柄が入っていますが)。割と初めの方で編んだ飛び柄の半衿も、一様に同じ模様を入れたものの片側に少し黄緑が多め。桜と藤のも、桜を出せば藤が隠れ、藤を出せば桜が隠れる寸法。
無地の部分にスキだけでなく、乳白色やクリスタルアイリス(表面をスリガラス状にツヤ消し(マット・フロスト)に加工し、更にAB加工したビーズ)も使ってみました。模様には玉(ギョク。Opaque。不透明)やセイロン、ラスター、銀引、中染、色も淡い澄んだグレーや明るいオークルベージュ、淡い山吹色、紫やピンクのグラデ、幅のある緑などを使い、挙げ句2mmのスワロフスキーを入れてみたりして、模様と色を文字通り編み出してみました。

全体的な感想は、みんなこういうのが初めてなので一気に冒険が出来ないので今のところ色も柄も大人し目だけれど、『これもアリなんじゃん?』といったところ。
今回は肌色に近いオークルベージュとぎりぎり色のついた桜色の縦ストライプ×乳白とスキの横ストライプ。
image-29.jpgimage-18.jpg
色が写ってない…拡大!
image-28.jpgimage-19.jpg
ビーズ半衿の『綿であるが故に洗い易い』『縫い付けがめっちゃ楽』の特性を活かして、両面使えるようにしてあります。勿論抜いた衣紋の内側も表と同じ色が出ます♡



それにしても、レース編みというのはまこと空間を愛でるものです。
今までエジングをスカラップになるよう、扇状に長編み7目でシェル編みにしていたのですが、もっちゃり重いのとなんかレース編みらしい可愛らしさが半減以下だったので、細編みから細編みの間を鎖1目長編み5目鎖1目にしてみました。
image-22.jpg
適度なヌケ感とでもいうのでしょうか。
軽い仕上がり、いかにもレースのスカラップ、という風で、お渡し期日(えぇ、また追い込み漁しました…)前日に仕上がって[ぴかぴか(新しい)]うきうきがとまらないのです。
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