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辻が花 [my friends&ralationships]

辻が花って本当に着ていくところに困る。大体なんなの、『附け下げ訪問着』ってぇ。附け下げ自体がなんか意味不明な立ち位置なのに、そのちょっと上、訪問着にはイマイチ足らずっていうのが納得いかない。
それというのも、私がまだ24くらいの頃、ふらっとはいった吉祥寺ロンロンでこんな感じの→tsuji_01.jpg附け下げ訪問着を買うに至ったからです。ローンが終わるまでどうにも親にも言い出せず、天袋の奥に押し込んどいたのですが、やはり着たいと思って買ったもの、いざ着ようとしたら自分ではまだ着れず(今なら着れるけど…)、自分で着れるようになったら着ていく場所が限定されるは絞り染めは流行じゃないわ…挙げ句、附け下げ訪問着ときたもんです。
大まかに、小紋→江戸小紋→附け下げ→色無地→訪問着→色留袖→振袖・黒留袖となっていて(ここに紋を入れる入れないいくつ入れるとか、比翼にするしないとか、袖の長さが今イチ踝まである無いとか絡んでくるけれども)、それでも附け下げと訪問着の間があるのに、これが合・体ばーん、みたいなことをされると困っちゃう。という訳で気張ってお洒落袋帯にしぃの、帯締めも帯揚げも遊びのきいたのにしぃの、足袋も別珍にしぃの、とぐいぐい格を下げてどうにかこうにか『ちょっと派手な小紋』面で着ております。
さて文句の多い辻が花、色も柄もまぁ嫌いじゃないし、上手く使えば出番も多いのでしょうが、こいつと再会したのは祖父が亡くなってから。新潟には当初からは連れて行けず、母の箪笥に仕舞われていたのでした。でも今回自力で着るということで実家からやっと持ち出したのでした。それというのも爺様、アナタが葬式を開催してくれたお陰よ。
そんな祖父の葬式から一月半、東京では葬式と同時に初七日も済ませてしまうので、ここへきて四十九日、つまり納骨です。でも私の主眼は骨なんかにはありません。柿の苗、車でいく、犬乗せる、辻が花持ってくる、です。
朝の四時半に新潟を出発、湯沢の辺りで霧や霧雨に悩まされながら、そしてとうとうAが睡魔に負けて私と交代して県を越え、船橋の寺に着いたら着いたで坊主のお経は超ド下手(大体木魚がリズム取れていないってどゆこと)、位牌の扱いは雑、遺影の上にその雑に箱詰めした位牌をがんっ、と載せ、おらよって感じで喪主に渡した時、Aは笑いを堪え、私は憤慨しておりました。すり足が出来てなくて祭壇はどすどす歩くわ、説法は説法になってないわ、かといって事務的でもないわ…。お前は駄目な二代目だな!丸出しだ!
そう言えば香典袋ですけど、実家じゃ黒白とか銀しか見たこと無い水引ですが、何と新潟では水引が黄色!それを母に言ったら『絶対黄色なんかで持ってくるんじゃない』と釘をさされました。ま、そゆもんです。
寒桜咲く墓でもう一度下手なお経を聞いて、納骨が済んだのち精進落としを戴いて(そしてここまできたからにはAを親族に紹介しない訳にはいかなくなり)、叔父と別れて一路東京へ。久々に走る七号-六号-C1-四号です。環八越えも久しぶりです。東八道路も久しぶりです。

…。

目的を達し、ご満悦で荷物を積み込んだ我々ですが、翌日に鴨鍋祭りが控えているので今日中に帰りたいのです。ところが飯を一緒に食いに出ようなどと言い出す父。何だろう、不気味だ。
いずれにせよ、いろんな意味でいっぱいいっぱいなので今日は帰ります、とまぁ犬と柿の苗と着物と諸々と、そしてどさくさに紛れて五百城文哉の画集(東京ステーションギャラリーが閉館しているため、また増刷もされない為とんでもない価格で今は取引されている!)も持ち出すことも出来、ウキウキ関越を引き返してきたのでした。帰りは赤城高原辺りから私がずっと運転してきたのよ、あー疲れた。



タグ:辻が花 着物
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